岡山県立高校の入試問題分析(2022年一般)―社会1

総論:社会は得点源にできる。

社会は、覚えれば覚えただけ得点できるオイシイ教科です。

どうしても覚えるのが苦手だという人でなければ、社会にたっぷり時間をかけることを強くおすすめします。

特に、武器となる得意な教科がない人には、社会はとてもおすすめです。

勉強法で迷った時は、下記でおすすめする「1問1答式の問題演習」を通して、まずは基本的なキーワードを押さえることを意識してみてください。

「タテの歴史」と「ヨコの歴史」

歴史には「タテの歴史」「ヨコの歴史」がある、と考えることができます。

「タテの歴史」とは、ある制度や文化などの視点から、長い歴史を通して見てみる、その制度・文化の変遷を考える、というものです。

入試でも頻出の「タテの歴史」の問題が、土地制度の歴史を年表にまとめ時代ごとの特色を問う、というものです。

「ヨコの歴史」とは、ある出来事が起こった時代を別の視点から見てみる、「同時代性」を考える、というものです。

入試で出題される典型的なものが、貴族が活躍した時代あるいは武士が活躍した時代では、文化はどのような特徴をもつか、というものです。

大問1では、「建築」の観点から長い時代(飛鳥時代から江戸時代まで)の変遷をたどるという問題でした。

大枠では、タテの歴史の考え方をとりつつ、各時代のヨコの歴史を考える問題でした。

この2つの考え方を意識して歴史の学習をすると、理解が深まると思われます。

勉強法は1問1答式の問題演習がおすすめ

社会の勉強では、1問1答式の問題演習がかなり有効です。

これは、用語記述問題でも、選択問題でも、説明記述問題でも効果を発揮します。

大問1では、記述問題が3題出題されましたが、基本的にはキーワードとその内容が正確に把握できていれば解ける問題ばかりです。

また選択問題でも、「浄土信仰」「狩野永徳」「関所の廃止」「足利義満」「南北朝の統一」などは重要なキーワードであり、ある時代の特徴を捉える上で欠かせないものなかりです。

これらの多くは1問1答式の問題演習でカバーできますので、まずは1問1答式の問題演習を通してキーワードをまんべんなく押さえる勉強をしておくと安定して高得点を狙えるようになるでしょう。

社会といえば「資料問題」

説明問題で、武家諸法度の資料を読んで空所に入る内容を書け、という問題が出題されました。

もしも、これが1問1答として出題されれば、正解できる受験生は3割を切ると思います。

しかし、この大問1は「建築物」というテーマがあり、問題文でも「城にかかわる内容」とあります。

よって、ここでは「居城新築の禁止」の内容を知っていれば、それを自分の言葉で書けばよいことになります。

ここでの最大のポイントは、社会の入試問題では「資料問題」がとても重要である、ということです。

そのため普段から、教科書だけでなく資料集などで多くの資料を見ておくことが、入試本番で資料を読み解く力につながります。

ここでは「武家諸法度」の内容が問題になり、武家諸法度は教科書以外でも、多くの問題で資料として出てくる頻出のものです。

このことから、問題演習の中で資料問題に注意するだけでなく、日頃から社会の資料に目を通しておくことを意識しておくと、長い目で見た時に着実に得点力につながってくると思われます。