岡山県立高校の入試問題分析(2022年一般)―理科5
光合成に関する実験
大問5では、光合成に関する実験が出題されました。
「緑色ピーマン」とか「赤色パプリカ」とか書いてありますが、気にすることはありません。
また、二酸化炭素の存在を調べるために、石灰水を使用する実験も王道ですが、ここではBTB溶液でした。
空所補充問題でも説明記述問題でも、落ち着いて考えれば、特に難しい問題ではなかったかと思います。
過去問演習を中心とした対策ができていれば、高得点も狙える問題ではないかという印象を持ちました。
植物のつくり
1年生で学習する「植物のつくり」のところで覚える「子房」が出題されました。
定期テストレベルの基本問題といえます。
やはりこの問題も、1問1答式の問題演習をやっていれば必ず出てくる問題だと思います。
用語記述問題は、説明記述問題などに比べて難しい問題は出題されず基本事項が問われます。
理科が苦手な受験生であっても、ここは確実に得点したいところです。
顕微鏡の倍率
顕微鏡の倍率に関する問題が出題されました。
顕微鏡の倍率は「接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率」ですが、「倍率を高くすると視野が狭くなり、明るさは暗くなる」というところがポイントでした。
顕微鏡に関しては、「各部の名称」「ピントの合わせ方」「像の動かし方」なども押さえておかなければなりません。
実験や観察の方法は、重要なポイントですので正確に覚えておきましょう。
生産者と消費者、分解者
生態系における生物のはたらきに注目した、「生産者」「消費者」「分解者」の分類に関する問題が出題されました。
光合成をする植物などが「生産者」、生産者のつくった有機物を消費する動物などの「消費者」、菌類や細菌類などの「分解者」の区別に基づき、選択肢を選ぶ問題でした。
ここでも、問題演習を通じて基本事項を正確に押さえておけば得点できる問題でした。
「対照実験」
調べたい条件以外の条件を全てそろえて行う実験を「対照実験」といいます。
光合成を行うには日光が必要かどうか、などを考える実験でよく行われます。
片方をアルミニウムはくでおおうものですが、実験の名称がを問う問題が出題されました。
これも1問1答式の問題で出てくるような語句でした。
重要な考え方ですので、しっかり覚えておきましょう。
BTB溶液の色の変化、空所補充(選択)問題
実験の考察で、BTB溶液の色の変化に関する説明をもとに空所に入る語の組み合わせを選ぶ問題でした。
これも3つの空所のうち、2つが分かれば選べる問題でしたので、それほど難しい問題ではありませんでした。
植物の光合成と呼吸のしくみと、BTB溶液が酸性で黄色、中性で緑、アルカリ性で青に変化することから、語の組み合わせを考える基本的な問題といえます。
BTB溶液などの試薬を苦手とする受験生も多いと思いますが、一度たっぷり時間を取って、正確に覚えておきましょう。
正確に覚えておけば確実に得点できるところですので、頑張ってください。
実験結果に関する説明記述問題
最後の問題は、BTB溶液の色が変化しなかった理由を述べよ、という問題でした。
光合成に関する対照実験では、頻出の問題です。
他の都道府県の入試でも何度も出題されていますので、どこかで見たことがある受験生も多かったと思います。
過去問を中心とした問題演習を十分しておけば、決して難しい問題ではなく、受験生の中には「サービス問題」とすら感じる人もいたでしょう。
理科が苦手な受験生へ
受験というものは、本番の試験時間が始まる時には、すでに勝負は決まっていると言っていいと思います。
試験の前日までにどれだけ問題演習をしているか、それで勝負は決まります。
理科は苦手意識をもつ受験生も多いですが、たとえ苦手な教科でも、しっかり時間を取って準備をすれば、必ずいい結果につながります。
入試の問題を見た時に、「あれ、これ見たことあるわ。ラッキー」と思えるようにたくさんの問題を解いておきましょう。